相合傘





ポツポツ…ザー

―――雨だ…傘もってないんだよね。余ってる傘も無いしどうしよう?

部活終わりの下駄箱で一人思案顔のなぎさ。
しょうがない、濡れて帰るかな―――なんて思ってると、傘を持った志穂がテクテクとやってきた。

―――ラッキー!渡りにフナじゃん!

「し〜ほ、一緒に帰ろ?」
「ムリムリムリ。先に莉奈と約束しちゃったんだ、じゃあね」

―――エエッ!?そんな…。よーし、こうなったら手当たり次第に…!

「ま〜き!」
「め〜ぐみ!」
「○×△!」

次々と声をかけるなぎさ。けど、下手な鉄砲は数撃ってもあたりません。結果は見事に全部ハズレ。
そして、あたしってばホントは人気ないのかも?なんて、ガックシと肩を落とす。
だけどその時
「一緒に帰ろう?」
なぎさのピンチに笑顔でほのかが登場。
「うん!モッチロン!」
       
  
・ ・ ・
      
   
雨の静けさの中、相合傘して濡れないようにと寄り添いながら歩く二人。
でもいつもと違ってドコかギクシャク、会話も少なめな感じ。

(ああ〜、何でこんなに緊張するの?アリエナイ!)
(もう、何でこんなにドキドキするのかしら?)

慣れないドキドキに、同時にハァとため息をつく。
だけどソレには続きがあった。

(…でも―――)
(…でも―――)

―――でも、ずっとこうしていたいかも…

一つに繋がる二人のココロ。
そして、なぎさの手が自然に柄を握っていたほのかの手へと重なって行く。
「!?…なぎさ?」
ビックリしたのか、思わず足を止めるほのか。
だけどそんなほのかに「ニコッ」と微笑を向けてなぎさが一言
「行こ!」

腕を組んで、手を重ねて、さっきよりも少しだけ近づいて、二人が再び歩き出す。
その胸にドキドキじゃなくてシアワセを感じながら―――





「あんた達いつまで傘差してるの?とっくに雨なんか上がってるよ!?」
「ア、アカネさん!?」




―――おしまい









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