偶然?



「なぎさ。買い物終わったらほのかの家に行こうメポ!」
「突然何よ!?今日はそんな暇無いんだってば」
「いいじゃないかメポ!せっかくポルンもいないんだし、久しぶりにミップルと二人っきりで会いたいメポ!!」
「ダーメ、お母さんが待ってるんだから早く帰るの…」
「何言ってるんだメポ!こんなチャンス滅多にないメポ!だから絶対に行くメポ!!」
「ちょっとどうしたの?今日は何だかスゴイ必死じゃない」
「ミップルに会う為なら当然だメポ!必要なのは覚悟と気迫メポ!」
「どっかで聞いた台詞……。とにかくダメなものはダメ!ホラ、さっさと行くよ?」
「…そんな事言うけど、メップルがミップルに会いたいみたいになぎさはほのかに会いたくないメポ?」
「え?」
「想い合う二人が会いたいと願うのは当然だメポ。自分に正直になるメポ!」
「あんたね…あたしとほのかは友達だよ?そんな恋人同士みたいな事は思う訳無いじゃん」
「だけど…」
「あーもう!いつまでもグチグチ言わないの。諦めな!」


―――まったく、メップルの奴急に何言い出すの!?
   あたしとほのかは恋人同士じゃ無いっつーの…

   そりゃ確かに、ほのかはお姫様みたいでカワイイくて男子にも後輩達にも大人気だし、
   あたしだってステキだなって思うよ?
   肌は白くてスベスベで、髪は長くてサラサラ。
   優しいし、オマケに成績だって抜群!それに…
   そうだ!それにほのかって何か優しい匂いがするんだよね。
   一緒に居ると安心できるんだ。
   もっとも放課後は薬品の匂いになっちゃうんだけど…。

   でも、ほのかってああ見えても頑固って言うのか芯が強いって言うのか、
   いろんな意味であたしなんかよりもずっと強いんだよね。
   あたしなんか何度それに助けてもらったのか分からないよ…。
   まあコレはあたし達だけの秘密ってヤツで、他のみんなは知らない事なんだけど。

   それにしても、ほのかとこう言う関係になったのってメップル達がやって来てからなんだよね。
   ソレってすっごく不思議な感じ。今じゃほのかがあたしの側に居ないなんて考えられないもん。
   ヤッパリいつも二人で支えあってきたからかな?
   二人で一緒に…

   …ハァ

   …ほのか今何してるんだろ?
   
   なんか会いたいな……


   …ってアレ?あたし何でこんな事考えてるんだろ?
   最初なに考えてたんだっけ?
   薬品?お姫様?メップル??



……さ
…ぎさ
なぎさ!

「…!!何、メップル!?」
「何ボーッとしてるメポ?…まさかミップルとの事考えてくれてたメポ!?」
「…残念ながら違います。さて、あの角を曲がって信号を渡った所だから、チョット急ぐよ!」

タッタッタッ―――


・ ・ ・


「ほのか。どうして今日はなぎさを誘わなかったミポ?」
「突然どうしたの、ミップル?」
「だって一人で買い物するよりも、なぎさと一緒の方がずっと楽しいミポ」
「いいのよミップル。せっかくの日曜日に私の急なお買い物につき合わせちゃ悪いもの…でしょ?」
「でも、ほのかはなぎさと一緒に居たく無いミポ?」
「ウフフ、何言ってるのミップル。私達いつも一緒に居るじゃない?」
「違うミポ。ミップルとメップルみたいにって意味ミポ」
「もうミップルったら、私となぎさは恋人同士じゃないのよ?そう言う風には思わないわ」
「本当ミポ?ならいいんだけどミポ…」
「本当よ…」


―――もうミップルたら、私となぎさの事そんな風に思ってたのね。

   確かになぎさって、王子様みたいで格好良い感じがするせいなのか、下級生達に大人気なのよね。
   まあ、私も思わずステキに思っちゃうこともあるけど…。

   運動神経は抜群、明るくて楽しくて、素直で他人思いで…。
   ちょっとオッチョコチョイで調子に乗りやすいところもあるけど、でもそれも魅力の一つなのよね…。
   あ!そうそう!それになぎさってお日様の匂いがするの。
   側にいるとこっちまでつられて元気になっちゃう!
   でも放課後には静汗スプレーの匂いになっちゃうんだけどね…。

   あと、みんなが思ってるよりも意外と繊細で女の子らしいのよね。
   フフッ、でもそのギャップがカワイイんだけど。
   
   それにしても、なぎさとこう言う関係になったのってミップル達と出会ってからなのよね。
   何だか信じられない。だって今じゃなぎさと別々だなんて想像できないもん。
   ヤッパリいつもお互いに支えあったり助け合ったりして来たからかしら?
   そう、二人で一緒に…

   …ハァ

   …なぎさ今何してるのかしら?

   なんか会いたい…
   

   …ってアレ?私何でこんな事考えてるんだろ?
   最初なに考えてたんだっけ?
   スプレー?王子様?ミップル??



……か
…のか
ほのか!

「…!!何、ミップル!?」
「何考え事してるミポ?…何か忘れ物でもしてきたミポ?」
「ううん、そんな事無い。大丈夫よ…。さ、信号が変わらないように急ぎましょ!」

タッタッタッ―――


・ ・ ・


―――ドンッ!

「うわ!?」
「きゃ!?」
「いたたた…。ゴメンなさい、大丈夫で……は?」
「私は大丈夫ですけど……え?」
「ほのか!?」
「なぎさ!どうして!?」
「あたしは買い物であそこに行くトコロで…。ほのかは?」
「偶然ね!私もあの雑貨屋に行く途中だったの…」
「ウソ!マジで!?すっごい偶然…」
「違うメポ!これは偶然じゃないメポ。お互いに想う気持ちが二人を引き寄せたんだメポ!」
「ミップルもそう思うミポ!やっぱりほのかとなぎさは一緒に居る運命ミポ!」
「ちょ、ちょっとメップル!あんた何勝手な事言ってんのよ!?」
「そ、そうよ!ミップルまで変な事言って…」
「なぎさ、それにしては顔が赤いメポ?」
「ほのかもミポ。真っ赤ミポ」
「それはその…ねえ、ほのか?」
「う、うん…なぎさ」
「ふぅ、二人とも素直じゃ無いミポ…」
「まったくメポ…。ところでミップル、僕達が出会えたのも同じく運命だメポ!ミップルゥ〜!」
「そこまで!ホラ、また青になったし行くよ?ほのかも行こう!」
「ウン!」

笑顔で視線を交わす二人。
そして風を切って走り出す。

優しさとお日様の匂いを残して…。







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