初めての…
―――ねえねえねえ、なぎさってキスした事あるの?
―――何よイキナリ!?……ある訳ないじゃん
―――へ〜、なぎさ無いんだ。遅れてるね!
―――えっ志穂も莉菜もあるの!?誰と?教えて!
―――エヘヘ…子供の頃にパパとだけどね
―――実は私もぽんたの介となんだけど
―――ナーンダ……
「―――なんて事があったんだけど、志穂も莉奈もホント人が悪いよね!?」
「そうね…」
―――アレ、ほのか何か余裕?マサカ…
「…ひょっとして、ほのかはあるの?」
「フフッ…あるよ」
―――えっ!ウソ?マジで!?
「だ…誰と?」
「それは―――」
「それは…?」
ゴクリ…
「ウフフッ、忠太郎とネ!」
「もぅ、ほのかまで!からかわないで!!」
「ゴメンね。だってなぎさってば凄い顔してるんだモン!」
てな具合で、いつもの様にイチャイチャと仲良しな二人。
「そうそう、キスって言えばね、連続キスの世界記録って30時間59分27秒だって知ってた?
その時に近くで二階建てバスが爆破されたんだけど、それでも止めなかったんですって」
どこかで仕入れたキスに関する小話をほのかが楽しそうになぎさに話す。
しかし当のなぎさはロクに話も聞かずに、ただ桜色のほのかの唇をジーッ…
そして―――
「………キス、してみる?ほのかとならイイよ…」
唐突ななぎさの言葉。
その一言に、ほのかの思考が一瞬停止する。
―――え?なぎさ今なんて…キス?ダメ…女の子同士でそんなことダメよ!ハッキリと断らなきゃ…
「…ウン」
―――キャー!?私ったら何でウンなの!?違うの!なぎさとキスしたい訳じゃないのよ!
ウソ、したく無いのって言われたらしたいんだケド…とにかく知らないモノへの好奇心?
……あぁん、もう!?
「来て…」
パニックな頭とは反対に、素直に目を閉じて「ン」と軽く顔を突き出す。
「…ほのか、イタダキます…」
―――もぅ、なぎさってば…。私は食べ物じゃないのよ?……初めてのキスは……消毒液の味?
* * *
―――ウン…?
目を開けると、そこには心配そうななぎさの顔。
「ほのか、目が覚めたんだね…」
「あれ、なぎさ?…私もう頂かれちゃったの?」
「何言ってるの?ほのかってば、体育の授業中に倒れちゃったんだよ…」
―――倒れた…私が?そう言えば朝から熱っぽかったかも…
そう思って周りを見てみると、確かにココは保健室で自分はベッドの上。
―――ヤッパリ倒れちゃったのね。それにしても、ハァ…
「夢だったんだ…」
「夢って?」
「ううん!何でもないよ!」
「ならイイけど…取り合えずあたし、皆に大丈夫って伝えてくる」
―――また様子見に来るからね!
その声と共になぎさがヒョイと立ち上がり、ドアの方へと足を進める。
「あ、そうそう…」
だけど突然クルッと振り返り、小悪魔みたいにニコッ
そして、唇を指でそっとなぞって―――
「ご馳走さま…ほのか」
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