room No.118




118号室―――それは私達の部屋。

だけどもうすぐ『私達の部屋だった』と過去形になってしまう。
それは今日、引越しの時を迎えたから。
そんな部屋で私は恋人が買い物から帰ってくるのを待っている。

私―――美墨なぎさがこの部屋に来たのは大学入学前のこと。
恋人と一緒に新生活を始める為に、親元を離れてココにやってきた。
一緒に笑ったり、ケンカしたり…思い出がイッパイ詰まったこの部屋とも今日でお別れ。

何だか柄にも無く、チョットしんみりとして思わず俯いてしまう。
と、口の開いたままのダンボールが一つ…
いっけない! 心の中で舌を出して、封をしようと膝を折る。
しかし、そこに見えた一冊のアルバムに、私の目は釘付けになった。
吸い寄せられるようにソレを手に取りページを開く。

写っていたのは、マダあどけない少女の私。
入学式、運動会、学園祭etc…
青春の日々が鮮やかに蘇って来る。

思い出に微笑みながら次々とページをめくる私だったが、
一つの写真を前にして、その手がピタリと止まった。
それはいつかの夏祭りの写真。
私を真ん中にして、左にいるのは愛しいアナタ。そして右にいるのは一番の親友…

ずっと一緒だった彼女。共に一つの目標に向かった彼女。時には他人には言えない秘密も共有した彼女。
もう大分会っていないけれど、ヤッパリ今でも彼女が一番の親友なのは間違いない。
そうだ。今度若葉台に帰ったら、一番に彼女に会いに行こう!

そしてアナタ。
アナタの無邪気な笑顔に、私もアノ頃のように胸がキュンとなっていく。
懐かしい甘酸っぱい感覚が、私の心を心地よく包みこむ。
とその時―――

「出発の準備できた?」

待ちに待った愛しい声。

そっとアルバムを仕舞って、笑顔で私は振り返る。


―――うん、ほのか!





※親友=志穂でひとつヨロシク。
  あとアナタを藤Pと勘違いしてくれたら喜んじゃう。









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